「今後十年私に健康を与えてくれるなら、

なんとかしたものを遺すべく、

努力したいと思っている。

 

努力といっても私のは遊ぶ努力である。

私は世間のみなが働きすぎると思う一人である。

私は世間の人がなぜもっと遊ばないかと思っている。

画でも字でも茶事でも雅事でも

遊んで良いことまで、世間は働いている。

 

なんでもよいから、

自分の仕事に遊ぶ人が出てこないものかと

私は待望している。

 

仕事に働く人は不幸だ。

仕事を役目のように了えて、

他のことの遊びによって

自己の慰めとなす人は幸せとは言えない。

 

政治でも実業でも遊ぶ心があって

余裕があると思うのである。」

北大路魯山人の仕事観 – Vision&Education (goo.ne.jp)