良き本や映画を貸して欲しいと言われることがよくあります。

教育者としては、当然、実際にお貸ししたいと思いますし、そうします。

ただし、世の常で、貸した本やDVDはなかなか返っては来ないものです。

私が本当に良いと思っている本や映画しかお貸ししませんから、当然、私も見返したいと思いますし、別の人にも貸してあげたいと思うことがでてきます。

そこで、そう思った時に、私の手元になければ、同じものを二冊三冊と更に買うことになります。

なんともったいないことをと思われる方もいらっしゃると思いますし、私も若い頃にはそう思っていました。

しかし、教育とはそんなものだと思います。全くの無駄になるかもしれない。しかし、その時の互いの思いが本物だと信じて動くしかないのです。

何もしなかった時の後悔の方が、私にとっては大きいので、あとは割り切るだけです。

「教育とは、流水に文字を書くような果ない業である。だが、それを厳壁に刻むような真剣さで取り組まなくてはいけない」

この森信三先生の言葉に支えられます。

他にも、たくさんの素晴らしい言葉を、森先生は残されています。

(1) 道徳とは、自分が行うべきもので、人に対して、説教すべきものではない。

(2) いったん決心したことは、必ずやりぬく。人間になることです。

(3) 人間の人柄というものは、その人が目下に対する場合の態度、とくに言葉遣いによって、分かるものであります。

その通りだと思います。ささやかではありますが、一人でも多くの人たちと、共に学んでいこうと思います。