アサリの産地偽装の問題を考えていて、ふと「御為ごかし(おためごかし)」という言葉が頭をよぎりました。お互いの利益のために、皆が、誤魔化しあっているからです。法律を作る人間だって、取り締まる人間だってそうです。実行する人たちの善意に期待するなら、法律など不要です。

「御為ごかし」という言葉を辞書で引くと、次のような説明でした。

「表面は人のためにするように見せかけて、実は自分の利益を図ること。じょうずごかし。「―の親切」「―を言う」」

よく「○○さん、あなたの体調はいかがですか?」といってメールを送ってくる食品メーカーがありますが、所詮は御為ごかしなのが透けて見えます。

私には、「△△を買ってね。」と言われた方が、よほど正直で気持ちが良い気がします。

最近、「御為ごかし」という言葉が死語になっていると感じていたのは、「御為ごかし」が一般化されてしまったが故なのでしょう。

互いの御為ごかしで成り立っている薄気味の悪い社会にはしたくないものです。

そうしない方法はただ一つ。

「自分がそんなことはしないと決め、断固そうして生きること。」

そう思います。