子育て支援員なるものを養成するそうです。

こうしたことは常に資格試験を伴います。

資格を作り、資格をとらせるということは、ある程度のマニュアル化をする必要があります。

マニュアル化するということは、仕事を定型化するということです。

一方、教育という仕事は、非定型の極みにあるようなものです。

受験産業化した教育であれば定型化できる部分が多いと思います。

しかし、人間が人間を育てるという、本来の意味の教育を定型化しようとしても、うまくいかなくなるだけのように私は感じます。

非定型の教育で成果を出すためには、マニュアルに頼らないこと、五感を研ぎ澄まし、子育ての体験から得たことをいかに応用できるかが大切です。また、親も人間として成長しなければ、良い子育てはできません。だから人間とはいかなる存在か、その心の在り方に目を向ける力がなければなりません。そして、社会生活全てに関連するのが子育てですから、生きる力と教養も大切です。また、自然環境や子育ての歴史にも造詣が深いと一層良いと思います。これらは到底、定型化して何とかできるものではありません。

でも、定型化することこそが仕事だと思う人がいて、法律を作って、制度化して、やり方をマニュアル化して、資格を売って、ビジネスにするのが世の常です。

私は教育は非定型だと思っていますからいつもマニュアルなどありません。実際に困ったご家庭があれば足を運び、共に語り、共に笑い、共に未来を考えていこうとします。お金や勤務時間のことなど考えていたらできるものではありません。

昔、ビジネスコンサルタントに、そのような非定型の仕事の仕方は駄目だと否定されたのですが、それでも私は私のスタイルを貫き通しました。

最近、フレンチの三國清美シェフの本を読んでいたら、「私はレシピは残していない」という言葉を語っていらっしゃいました。素材と向き合い、お客様と向き合い、自分のコンディションと向き合い、その瞬間のベストを尽くすのが最高の料理だという考えに巡り会って、やっと私のやってきたことの意味が腑に落ちた感じがしました。

無限にある教材と向き合い、全く一人一人が違う親子と向き合い、今現在の、自分が本当に伝えたいことや意識の流れと向き合い、その瞬間のベストの教育を生み出していく。そのためには、自分を磨くしかない。

このスタイルの教育を私は貫いていきます。