読書の難しさは色々とあります。
まず、日頃から、読書嫌いの人に、良かれと思って本を勧めても、読みたくないものは頭に入りにくいということです。読書そのものが嫌いという人は、そうした機会でもなければ、そもそも本を読むこともないわけですが、勧めるべきか、勧めざるべきか。難しい問題です。
次に、読書が好きで多くの本を読んでいる、ということは良いのですが、そうした人は私も含めて、読む本の傾向が偏りがちだということです。人間は、聞きたいことを聞きたいように聞き、見たいことを見たいように見ることしかできない。とはよく言われることですが、偏りを避けるべきか、避けずに強みとするかは、人によって判断が異なり、これもまた難しい問題です。
結局、自分の判断に委ねるしかないと言ってしまえば、身も蓋もなくなるわけで、実に悩ましく思います。文部科学省やPTAも、子どもたちへの「推薦図書」などを決めているようですが、本当は、まず大人から推薦図書を決めて読むべきなのかも知れません。ただ、それをやると思想信条の自由に反するとか、押しつけられただとか、猛反発を喰らいそうな予感がします。
しかし、本を読みもしない大人たちが、偉そうに子どもたちにこれを読みなさいと言っても、通じないのではないかとも思います。だから、まずは自分がやってみせるというのが、教育の基本だと私は思います。
答えは出ませんが、とにかく悩ましい問題であることだけは確かなようです。
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