私は幸いにして、固定観念から脱した教育を形にすることが出来るようになりました。

それには多くの人たちの支えがありましたし、一方で、多くの逆境がありました。

どちらに対しても、感謝しかありません。

困難なこともありましたが、それでも安易な道を選ばず、自己顕示欲を満足させるような道を選ばず、偽りの発展を望まず、本物とは何のことかを考え、粛々と自分の道を歩いてきました。

あとは、たくさんしていただいたことを、いかにして後の世代に手渡していくかだけです。

まだ、私の歩いてきた道に価値があるなどとは思われてもいません。

社会に知られることのない、ささやかな成果でしかないのです。

しかし、私はこの価値の大きさを信じます。

自分のやっていることの価値を自分が信じなくて誰が信じるでしょう。

それを押しつけることなく、喧伝することなく、粛々とやり続けていく中で、少しでもその光を見いだして下さる方がいらっしゃれば、望外の喜びです。