産経新聞2017年2月15日
http://www.sankei.com/life/news/170215/lif1702150022-n1.html

知的刺激に満ちたアクティブな学びの空間を作るためには、「学生(生徒)が相互に学び合う状況を作ること」「教師が学生との双方向の言葉のやりとりを増やすこと」の2つが大切だ。

 私が専門学校で実施する全8講座の「志の教育」プログラムでは講座ごとに2枚のリポートを課す。テーマは「講座を受けて感じたこと、気づいたこと、学んだこと(考えたこと)」だ。提出された全員のリポートに、私は必ずコメントを書いて次の講座の開始時に返却する。同時に、心に響いた数人分をタイプし、クラス全員に配布して読み上げる。タイプする理由は、誰が書いたかを分からなくし先入観を取り去るためだ。読み上げるのは内容の共有を徹底し共感度を高めるためだ。

 学生たちは同じ講座を受けているのに、得ているものはそれぞれ大きく違うことに気づく。教室で机を並べている級友の考えの深さに驚き、自身の未熟さを自覚する。そこに級友への共感や敬意が生まれ、自ら発奮し向上しようとする意識が芽生える。

 若者の多くは、「聴く」ことが「聞き流す」ことになり、「読む」ことが「活字を眺める」ことになっている。学生たちは、聴き方・読み方の習慣を変えれば、自分で考え、書く・話すというアウトプットの力が大きく伸びることに気づく。

それが学ぶ意欲を変える。学生が真剣に全講座に参加するか否かは、こちらが学生の言葉に対して、真剣勝負をしていることを伝えられるかどうかにかかっている。一度でも手を抜けば得られるものは半減する。

 リポート提出など、ありふれた教育現場の日常風景だが、どれだけの思いをもって実施し、どのように活用するかで、得られる成果は天と地ほどに違う。

 次に、教師が学生との双方向の言葉のやりとりを増やすことが大切だ。確かに聴き方が変われば、学生のコメント力は高まる。だが、その力をさらに伸ばすのは教師のコメント力だ。教師の側に、学生のコメントに対して間髪入れず「全員に・平等に・的確に」コメントを出す力が必要だ。自分にできないことを学生にだけ求めても、その力は身に付かない。同じ土俵に立って範を示すことが大切だ。

 コメントの際に、私が意識していることは、「触発されて心に浮かんだことを話す」「感銘を受けた箇所など、感情を交えて正直にコメントする」「発言した勇気に心からの敬意と感謝を表し、指摘すべきことには心を込めて改善のアドバイスをする」などさまざまだ。大切なのは嘘偽りなく言葉を発することだ。

それが学ぶ意欲を変える。学生が真剣に全講座に参加するか否かは、こちらが学生の言葉に対して、真剣勝負をしていることを伝えられるかどうかにかかっている。一度でも手を抜けば得られるものは半減する。

 リポート提出など、ありふれた教育現場の日常風景だが、どれだけの思いをもって実施し、どのように活用するかで、得られる成果は天と地ほどに違う。

 次に、教師が学生との双方向の言葉のやりとりを増やすことが大切だ。確かに聴き方が変われば、学生のコメント力は高まる。だが、その力をさらに伸ばすのは教師のコメント力だ。教師の側に、学生のコメントに対して間髪入れず「全員に・平等に・的確に」コメントを出す力が必要だ。自分にできないことを学生にだけ求めても、その力は身に付かない。同じ土俵に立って範を示すことが大切だ。

 コメントの際に、私が意識していることは、「触発されて心に浮かんだことを話す」「感銘を受けた箇所など、感情を交えて正直にコメントする」「発言した勇気に心からの敬意と感謝を表し、指摘すべきことには心を込めて改善のアドバイスをする」などさまざまだ。大切なのは嘘偽りなく言葉を発することだ。

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