以下、朝日新聞の記事です。
「日本郵便のゆるキャラ「ぽすくま」を描いた1円切手が4月14日から、全国の郵便局で発売される。1円切手は長く「郵便制度の父」と呼ばれる前島密(ひそか)の肖像だけで、前島以外の1円切手が発行されるのは約70年ぶり。(中略)実際、朝日新聞「声」欄には昨年2月、こんな声が載った。
「失礼ですが、いかめしい顔のおじさんの切手を貼ると、何だかテンションが下がってしまいます」 「他の切手と組み合わせて貼った時に、氏のいかめしい顔つきがどうにも違和感を伴います」
ただ、前島は日本郵便の関係者にとって特別な存在だ。前島は大蔵省や内務省の官僚を務め、郵政の長も11年務めた。郵便事業が150年前の1871年3月に東京・大阪間で始まったのは前島の発議によるもので、「郵便」「郵便切手」という言葉も前島が選んだものだという。それだけに、今回の新切手発行について、日本郵便内には「前島以外は認められない」との慎重論も根強かったという。(以下略)」
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価値基準が、先人に敬意を表することよりも、子どもが喜ぶゆるキャラが大切だという発想です。救いは、前島密の切手も残してくれたことです。
価値観の劣化、幼児化だと私は思います。先人のことを知らず、知っていても表面的で、敬意を払わず、ゆるキャラの方が親しみやすくていいという。
わたしもゆるキャラはかわいらしくて良いとは思います。確かに利用者も増えるでしょう。また、切手は売れなくてはいけないし、利用者の声も大切ですから、仕方が無いことです。
しかし、日本が危機的な状況に立たされている今、先人たちの思いと生き様に学ぶべき時に、多くの人たちはゆるキャラが良いという考えしかないのが、なんとも哀しく感じられます。
「なに~、このおじさん。超、テンション下がるぅ~。」
でも、これが日本の主流なのです。現実なのです。
「え~、ニッポン滅びちゃうんだって。超うけるぅ~。」
みんなで育んできたこの価値観と共に滅び行くしかないのかもしれません。
さようなら前島密 – Vision&Education (goo.ne.jp)