ICTの普及が教育現場でも推進されています。

基本的には歓迎すべき事だと思います。

しかし、ICTとは、「Information and Communication Technology」(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)の略で、所詮は「情報通信技術」でしかないということです。

ICTは、デジタル化された情報の通信技術であり、インターネットなどを経由して人と人とをつなぐ役割を果たしています。

しかし、ここで問題なのは、 人間にとっての「Communication」とは何かが深く考えられていないことです。

「人と人とがつながる」ことをコミュニケーションと考えるとして、未熟な人間が技術を使って繋がれば、当然、未熟なコミュニケーションの中で、誤解や諍いが起こると思います。

ICTの普及だけでは、いじめ一つなくすことはできないのです。 

テクノロジーもそれを使う人間の意識次第だと私は思いますし、生身の人間の、意識や心、考えは、デジタルで育てられるものではないと感じています。

私たちは技術が進むと人間が偉くなったように思いがちですが、紀元前の孔子やブッダやキリストの教えをすら、未だに身につけることの出来ぬ存在に過ぎないのです。

人間とは何か。人間を育てる教育とは何か。深い人間観無きところに、良い教育が生まれるとは、到底私には思えないのです。

あまりに、人間を、教育を、軽く考えていやしないかと思います。

ま、焼きが回った爺は、そろそろ退場するのが良いのかもしれませんが。